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Je pense, donc je suis.(我思う、故に我あり。)  というか、ただの日記です。

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「王の運命―歴史を変えた八日間―」

「王の運命―歴史を変えた八日間―」を見ました。



「王の運命―歴史を変えた八日間―」
【英語タイトル】THE THRONE
【製作】2015年 韓国 上映時間 125分
【監督】イ・ジュニク
【脚本】チョ・チョルヒョン、イ・ソンウォン、オ・ソンヒョン
【撮影】キム・テギョン
【出演】ソン・ガンホ:英祖(ヨンジョ)
    ユ・アイン:思悼世子(サドセジェ)
    ムン・グニョン:恵慶宮(ヘギョングン)
    チョン・ヘジン:暎嬪(ヨンビン)
    キム・ヘスク:仁元王后(イヌォンワンフ)
    ソ・ジソブ:イ・サン(正祖)

18世紀の朝鮮王朝を舞台に、朝鮮第21代国王・英祖が息子の思悼世子を米びつに閉じ込め絶命させたという有名な実話“米びつ事件(壬午士禍)”を新たな解釈で映画化した歴史ドラマ。 実の息子を米びつに閉じ込めて殺してしまった王様(英祖)と殺されてしまった息子(思悼世子)、そして父を祖父に殺された息子(英祖の孫イ・サン=正祖)の物語なので、かなり重たい内容であることは観る前からわかってはいたので、かなり身構えて観たのだけれど、実際、とても重たかった。(苦笑)ただ芸術的だし、演技達者な出演者たちばかりだし、完成度が高い作品だとは思います。

韓国の歴史ドラマを見て思うのだけれど、朝鮮王って絶対権力を持っていそうで、実は持っていないというか、常に権力(王位)を兄弟や息子に奪われる恐怖と背中合わせだという気の毒な立場で、親兄弟といえども、最大の敵なんだよね。その確執を重臣たちがうまく利用して陰謀をたくらむから、王位をめぐるクーデーターも多いイメージ。日本の殿様って権力を息子や重臣に奪われることにおびえているイメージもクーデーターのイメージもあまりないのだけれど・・・。

英祖と思悼世子と正祖(イ・サン)の悲劇的実話は、いろんな作品にも登場するけれど、いろいろ見比べると描き方もいろいろで面白い。この作品では重臣たちの陰謀は全く描かれていません。父と子の対立は性格的なものに起因しているという風に描かれています。この作品での思悼世子は、学問よりも芸術と武術を好む自由奔放な性格が災いして、父の期待どおりに育つことなく、その性格から父に疎まれ最終的には気が触れた悲劇の人として描かれていました。そしてそうならざるをえなかった環境が描かれています。父である王は早く退位したいと言って息子である世子に代理執政を任せておいて、いざ世子が独自の判断力を発揮して家臣の支持を集め始めると横から口を出して世子の命令を撤回させる。息子を一人前にしたい気持ちと、いざ息子が一人前になって自立してしまうと自分の権威が危うくなるという不安のジレンマから、結局は権力を振りかざして息子を押さえつけはじめる。なんだかドラマ「根の深い木」で見た父:太宗と息子:世宗の関係性にも似ていました。 父の意見を伺えば「自分で考えろ!」と叱られ、自分で考えて行動したら「先に相談しろ!」と叱られる。そりゃ、息子も「やってられねー」ってなるし、唯一の味方だと期待した妻は、夫よりも息子(イ・サン)の命を守ることが最優先。ますます孤独になり、どんどん追い詰められていき、抑圧された環境から精神の逃げ場を探していくうちに気も狂いはじめてくるわけで・・・。(苦笑)ただ、この物語の救いは、そんな孤独でやり場のない思悼世子の気持ちを誰よりも理解してくれていたのが息子(イ・サン)だったというところ。

ユ・アインは、この映画でいろんな賞を受賞したとのことでしたが、実際、思悼世子が憑依しているかのような熱演でした。

ちなみに私の中で、英祖は「メンドクサイ王様」、太宗は「コワイ王様」、仁祖は「残念すぎる王様」、粛宗は「カッコイイ王様」ってイメージが強いのですが、この作品を見ても英祖は気難しくてメンドクサイおっさんだなーというイメージが上書きされた感じです。(苦笑)


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