2009.01.13 Tue
「ボルベール <帰郷>」
WOWOWにて、スペイン映画、「ボルベール <帰郷>」を見ました。監督は「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」「バット・エデューション」のペドロ・アルモドバル。2006年のカンヌ映画祭で出演の6人が全員最優秀主演女優賞という異例の事態を巻き起こしたことでも有名な作品です。
基本的にアルモドバル監督が描くテーマや題材は、いつも重い。親子の確執、生と死、性的虐待、復讐、同性愛、偏執的な愛、孤独等、とにかく重いテーマの盛り合わせ状態で、サスペンス要素を絡めたような流れの中で描かれる物語は、あまりにも重いテーマでありながら、独特のユーモラスな視点で描かれるせいか、なぜかコメディにすら見える。重いテーマは嫌いではないし、それがコメディに思えてしまうようなブラックさを蓄えたユーモラスな描き方も嫌いではないのだが(っていうか基本的にはブラックユーモアは大好き)、何故か私にとってペドロ・アルモドバルの作品は、独特の世界だなーと傍観するだけに終わることが多く、毎回それなりに楽しみつつも、毎回それほどツボにもハマらない。(あ、そういえば私としたことが、バンちゃんの「アタメ」をまだ見てない!?) そんなアルモドバル作品の中で、今回の作品は、今まで見たどのアルモドバル作品よりも楽しめた。相変わらずアルモドバルらしい、親子の確執、生と死、性的虐待、偏執的な愛等の重いテーマは存在しているのだが、その重いテーマがギッシリ詰まった人生を生き抜く女性たちが、あまりにもカラっとしていて、その明るさと逞しさが、とても心地よく、妙に爽快で面白く感じられました。
物語の舞台は、監督の故郷でもあるスペインのラ・マンチャ地方だそうです。この地方色がどんなものなのかピンとこないのですが、きっとその土地のカラーみたいなものも、この作品や登場人物に大きく反映されているのでしょう。「この地方は未亡人が多いのね」という台詞が伏線となり、未亡人たちの物語へと展開していくのですが、本当に、この未亡人たちが逞しい。しかも、ただの未亡人じゃないのに。(苦笑) 時折見せる涙すらも、その涙が女々しくなくて、妙にカラっとしているのである。これもカラっとした大地と風土の象徴なのかな?と思ったり。
見所は、やはり女性たちの明るさと逞しさ。どの女性も存在感がある。でも出演の6人が全員最優秀主演女優賞というは、ちょっとやりすぎな気もする。それなら、私は「8人の女たち」のほうが8人全員最優秀主演女優賞にしたいもの。しかし、それにしても、主人公ともいえるライムンダを演じているペネロペ・クルスの魅力的なこと!彼女は、この映画でアカデミー賞主演女優賞にも初ノミネートされておりましたが、納得の存在感でした。彼女が演じたライムンダという女性は、失業中の夫と15歳の一人娘がいる母親という設定なのですが、ペネ子ちゃんも母親を演じるような年になったのかーと感慨深く思うと同時に、貫禄の母っぷりに惚れ惚れしてしまいました。途中、ライムンダが歌を歌うシーンがあるのですが、おそらく歌声は吹き替えてあるのでしょうが、そのときの歌がとても印象的でした。ペネ子ちゃんの胸の谷間もね。(笑)
それにしても、ライムンダもさることながら、ライムンダの娘パオラの罪悪感ゼロみたいな雰囲気は末恐ろしいぜ。まあ、母であるライムンダが罪悪感を感じさせない空気を作り出しているからこそなのでしょうけれど。ストーリー的には、オイオイ!とか、それでいいのか?とツッコミたいところも多々ありますが、そのへんは、もうフィクションの世界。ユーモアだと割り切って見るに限りますね。なにはともあれ、この映画は、女性のための栄養剤的な要素がたくさんある、女性を元気にしてくれる映画だと思いました。
ボルベール <帰郷>
VOLVER
製作 2006年 スペイン 上映時間 120分
ボルベール<帰郷> コレクターズ・エディション
ヨアンナ・コバ, ロラ・ドゥエニャス, カルメン・マウラ, ペネロペ・クルス, ペドロ・アルモドバル
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【宣伝コピー】『ママ、話したいことが ヤマほどあるの。』『女たち、流した血から、花咲かす。』
監督: ペドロ・アルモドバル
製作: エステル・ガルシア
製作総指揮: アグスティン・アルモドバル
脚本: ペドロ・アルモドバル
撮影: ホセ・ルイス・アルカイネ
編集: ホセ・サルセド
音楽: アルベルト・イグレシアス
出演: ペネロペ・クルス :ライムンダ
カルメン・マウラ :イレーネ
ロラ・ドゥエニャス :ソーレ
ブランカ・ポルティージョ :アグスティナ
ヨアンナ・コボ :パウラ
チュス・ランプレアベ :パウラ伯母さん
アントニオ・デ・ラ・トレ :パコ
基本的にアルモドバル監督が描くテーマや題材は、いつも重い。親子の確執、生と死、性的虐待、復讐、同性愛、偏執的な愛、孤独等、とにかく重いテーマの盛り合わせ状態で、サスペンス要素を絡めたような流れの中で描かれる物語は、あまりにも重いテーマでありながら、独特のユーモラスな視点で描かれるせいか、なぜかコメディにすら見える。重いテーマは嫌いではないし、それがコメディに思えてしまうようなブラックさを蓄えたユーモラスな描き方も嫌いではないのだが(っていうか基本的にはブラックユーモアは大好き)、何故か私にとってペドロ・アルモドバルの作品は、独特の世界だなーと傍観するだけに終わることが多く、毎回それなりに楽しみつつも、毎回それほどツボにもハマらない。(あ、そういえば私としたことが、バンちゃんの「アタメ」をまだ見てない!?) そんなアルモドバル作品の中で、今回の作品は、今まで見たどのアルモドバル作品よりも楽しめた。相変わらずアルモドバルらしい、親子の確執、生と死、性的虐待、偏執的な愛等の重いテーマは存在しているのだが、その重いテーマがギッシリ詰まった人生を生き抜く女性たちが、あまりにもカラっとしていて、その明るさと逞しさが、とても心地よく、妙に爽快で面白く感じられました。
物語の舞台は、監督の故郷でもあるスペインのラ・マンチャ地方だそうです。この地方色がどんなものなのかピンとこないのですが、きっとその土地のカラーみたいなものも、この作品や登場人物に大きく反映されているのでしょう。「この地方は未亡人が多いのね」という台詞が伏線となり、未亡人たちの物語へと展開していくのですが、本当に、この未亡人たちが逞しい。しかも、ただの未亡人じゃないのに。(苦笑) 時折見せる涙すらも、その涙が女々しくなくて、妙にカラっとしているのである。これもカラっとした大地と風土の象徴なのかな?と思ったり。
見所は、やはり女性たちの明るさと逞しさ。どの女性も存在感がある。でも出演の6人が全員最優秀主演女優賞というは、ちょっとやりすぎな気もする。それなら、私は「8人の女たち」のほうが8人全員最優秀主演女優賞にしたいもの。しかし、それにしても、主人公ともいえるライムンダを演じているペネロペ・クルスの魅力的なこと!彼女は、この映画でアカデミー賞主演女優賞にも初ノミネートされておりましたが、納得の存在感でした。彼女が演じたライムンダという女性は、失業中の夫と15歳の一人娘がいる母親という設定なのですが、ペネ子ちゃんも母親を演じるような年になったのかーと感慨深く思うと同時に、貫禄の母っぷりに惚れ惚れしてしまいました。途中、ライムンダが歌を歌うシーンがあるのですが、おそらく歌声は吹き替えてあるのでしょうが、そのときの歌がとても印象的でした。ペネ子ちゃんの胸の谷間もね。(笑)
それにしても、ライムンダもさることながら、ライムンダの娘パオラの罪悪感ゼロみたいな雰囲気は末恐ろしいぜ。まあ、母であるライムンダが罪悪感を感じさせない空気を作り出しているからこそなのでしょうけれど。ストーリー的には、オイオイ!とか、それでいいのか?とツッコミたいところも多々ありますが、そのへんは、もうフィクションの世界。ユーモアだと割り切って見るに限りますね。なにはともあれ、この映画は、女性のための栄養剤的な要素がたくさんある、女性を元気にしてくれる映画だと思いました。
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