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Je pense, donc je suis.

Je pense, donc je suis.(我思う、故に我あり。)  というか、ただの日記です。

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「ワールド・オブ・ライズ」

映画館にて、レオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウが共演している「ワールド・オブ・エンド」を見てきました。リドリー・スコット監督の作った硬派な映画だと聞き、予告を見て「これは見たい!」と映画友達のIさん&Yちゃんを誘ったのですが、誘った後で、私が好きなのは兄のリドリー・スコットではなくて、弟のトニー・スコットが作る硬派な映画が好きだったことに気づき、しまったー!兄弟間違えた!と焦ったものの、誘っちゃったからには、イマイチだったら謝る覚悟で行ってきました。

world_of_lies.jpg「ワールド・オブ・ライズ」
原題:BODY OF LIES   上映時間 :128分
製作国 2008年 アメリカ
【宣伝コピー】 『どっちの嘘が、世界を救うのか。 』
監督: リドリー・スコット
製作: ドナルド・デ・ライン リドリー・スコット
原作: デイヴィッド・イグネイシアス『ワールド・オブ・ライズ』(小学館刊)
出演:
レオナルド・ディカプリオ :ロジャー・フェリス
ラッセル・クロウ :エド・ホフマン
マーク・ストロング :ハニ・サラーム
ゴルシフテ・ファラハニ :アイシャ
オスカー・アイザック :バッサーム
サイモン・マクバーニー :ガーランド
アロン・アブトゥブール :アル・サリーム
アリ・スリマン :オマール・サディキ


先に述べたとおり、弟のトニー・スコットの作る映画は好みのものが多いのだけれど、兄上のリドリー・スコットが作る映画は、どれもこれも、あまりツボにハマったことがない私なので、行く前から、既にテンション下がり気味&警戒心満点で鑑賞してきたのですが、なんのなんの。そんなネガティブな予想を大きく裏切る見ごたえ満点の映画で大満足。

これ、超面白いよ。面白いという言葉は、不謹慎な気もするけれど、もう最初から最後まで緊迫感が持続して、劇場まで見に行ったことを全く後悔させない硬派な映画。ジャンルは、アクションサスペンスって感じ?爆破シーンやカーチェイスは劇場で見ると迫力が凄い。

登場人物は、嘘だらけの世界で己の正義感と信仰を頼りに嘘を巧みに操って戦う男たち。イスラム原理主義のテロリストたちと、そのテロの標的であるアメリカ政府側(CIA)から中東の諜報部員たちに指示を出す人間(ラッセル・クロウ)、そしてその指示を受けCIAの一員としてテロを阻止すべく現地(中東)に潜入して諜報活動を行っている工作員(レオナルド・ディカプリオ)、そして敵の敵は味方ということで、共通の敵である過激なイスラム原理主義者と戦う中東ヨルダンの諜報部員(マーク・ストロング)。この3つの組織の4人の男たちの嘘と沈黙と駆引きから目が離せない映画です。

「この映画はフィクションですが、実際、これに近いものが現実なのだ」といった趣旨の断り文が冒頭に出てきますが、本当に、実際、こういう国と国の駆引きだったり、組織と組織の対立だったり、それぞれの信仰や信念の衝突だったり、そういうものの犠牲になって罪もない人の命が軽ろんじられているというのが中東の現実なのだと思うと、本気で平和を祈りたくなります。とくに、この映画で描かれている中東の風景や町、そこで暮らす人たちは、どこまでが実際のもので、どこまでが作りものの世界なのかわからないけれど、とても魅力的で、とてもステキで、とても美しく、それだけに、この町並み、この人たち、この風景を壊さないで欲しいと強く思いました。

映画本編では、刺殺、銃殺シーンも出てきますし、何度か拷問シーンも出てきます。一部、思わず目を背けたくなった部分もありましたが、ストーリー上必要最小限だと思われる描写だったことと、その描写は真摯で娯楽的要素が見えなかったことと、おそらくこういう目を背けたくなるようなことが実際に起こっているという現実を伝えたいという作り手の意図と必要性に共感できたので、その手の映像は苦手ではあれど、納得できたので作品としての不快や嫌悪はありません。

映画自体も、アメリカ目線の政治的プロパガンダでガチガチに固まっているわけではなく、むしろ、そこに一石を投じるようなつくりになっているように感じました。ラッセル・クロウやレオナルド・ディカプリオが演じていたCIAの人間は、アメリカ側の人物なので、劇中の彼ら(アメリカ人)のセリフは、アメリカ目線の政治色の強い押し付けがましい正義論が多く、日本人の我々にすれば、「はぁ?」と思う部分も多々あり、彼らが声高に自分の信念を語り、己の敵を罵る姿を見れば、おのずと彼ら(アメリカ)の掲げる正義にも疑問が沸くように作られているように感じました。とりわけ現地で中東の事情を目の当たりにしている工作員(ディカプリオ)が、物語が進むにつれて、自分の行動や決断や作戦に伴う犠牲を目の当たりに見て、人間一人の命が非常に軽んじられている現状を痛感していくにつれ、上層部からの指示に疑問を抱いたり葛藤を感じたりするあたりでは、見ている側も一緒に感情移入し、一緒に立ち止まってアメリカの掲げている正義について考えさせられます。もちろん無差別に人を殺すテロリストは憎むべき対象ではありますが、それに対してアメリカ側が取っている行動は果たして正義と呼べるものなのか?と疑問を抱かずにはいられない作りになっています。とりわけ、その感情を煽るのがラッセル・クロウ演じるエド・ホフマンの存在。ラッセル・クロウは、この役作りのために体重を大幅に増量したらしいけれど、それが果たして必要だったのかは、はなはだ疑問ですが、ブクブク太って飄々として憎たらしい、なんだかアメリカという国を象徴するような存在としては、かなりイイ味を出しておりました。それにしても、ディカプリオは、いい男(=俳優)になったよね。昔から、いい演技をする(「ギルバート・グレイプ」のアニー君なんて素晴しい!)人でしたが、「タイタニック」でのブレイク後、キレイなお顔がジャマをして、無理に汚れ役へと転身しようとしていた頃は痛々しかったけれど、今や、傷も哀愁も似合う男になったなぁと、ラストの青あざだらけで「アメリカには戻らない。俺は中東が好きなんだ」と言ってのけた表情を見て、男らしさと、俳優として大きくなったディカプリオを感じて、なんだか妙に嬉しかったです。女の子みたいにキレイだった「タイタニック」の頃のレオ様も好きですが、今のディカプリオも結構好き。俳優として、今後も応援したい人。「レボリュショナリー・ロード」も見に行きたいと強く思いました。

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