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Je pense, donc je suis.

Je pense, donc je suis.(我思う、故に我あり。)  というか、ただの日記です。

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夏川草介(著)「神様のカルテ2」

以前読んだ前作「神様のカルテ」が良かったので(※参照記事こちら)、続編が出たと知り、しかも巷の噂では「1」に勝るとも劣らない内容だというはなしを耳にし、いてもたってもいられなくなり、思わず買って読んでみました。

神様のカルテ 2

夏川 草介 小学館 2010-09-28
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by ヨメレバ


「神様のカルテ」の続編である「神様のカルテ2」は、「1」を読んでいなくても単体でも十分楽しめる内容ではあるとは思いますが、やはり「1」あってこその「2」なので、順番に読むほうが本庄病院の内情や、そこで働く人たちの背景が理解できるぶん、それぞれの登場人物に対する思いいれもグっと深くなるような気がします。ただ、「1」に勝るとも劣らない内容か?と問われると、個人的には「1」のほうが心にグっとくるものが大きかったです。私にとっては、栗原先生の迷いや葛藤や強さの中の弱さみたいなものが「1」のほうが、より自分自身に身近なものだったので。

でも「2」で描かれていた内容も決して自分にとって無関係な内容ではなく、「2」に描かれている問題は、医者の世界だけの話ではない、社会にでて働いている人ならば、多かれ少なかれ感じていたりすることだと思うジレンマだったりストレスだったりなので、やはり考えながら読んでしまう部分というのは大きかったです。社会にでて働いている人ならば、人間らしさや自分らしさと、他人から求められる理想像だったりとの間のギャップに多かれ少なかれ板挟みになっていることでしょう。とくにプロフェッショナルを極めれば極めるほど、プロとして求められることに答えようとすればするほど、時間は足りなくなり、足りない時間を補うには睡眠や休息の時間を削るしかなく、そうなってくると人間らしい生活とはかけ離れていくものなのかもしれません。それこそアイドルなんかやってる人たちも、売れっ子になればなるほどプライベートなんてあってないようなもので、医師同様にプロとしてのプライドや、信念があればあるほど、そのプロフェッショナルとしての理想像と人間らしく生きる時間とのバランスをとるのが難しくなっていくんだよねと、想像を膨らませて寄り道しながら本を読み進めてしまいました。読みながら真っ先に思い浮かんだのは、大好きな釣りで日焼けして自覚が足りないなんて叱られちゃう人のことだったのだけれど、彼もおそらく職業的に求められるものと自分らしくあることとの板ばさみで苦労してるんだろうななんて勝手に想像して同情してみたり。(苦笑) とりわけ医師という職業は「命」を扱う仕事。確固とした信念なくしては働けない環境でしょうし、それだけに人間らしく生きる時間とのバランスをとるためには、それなりの労働環境を整えてもらわなくては無理なのだという現場の医師たちの悲痛な叫びが聞こえてきます。そういう叫びが、この本の中には詰まっていました。

人が他人に求めるものは、無尽蔵であり、かつ無責任なものだと最近痛感します。それらのすべてに答えようとしても限界がある。自分の体を壊してまで他人の期待に答える必要ってあるのだろうか?どこで割り切るか、その割り切るラインには正解も不正解もない。古狐先生のおっしゃるとおり、それは各々の信念であり哲学の問題で、そこに正解も不正解もない。でも悲しいかな、日本の社会って『滅私奉公』を美徳とする社会。『公』より『私』を優先すると後ろ指を差されがちな社会。これが欧米だと、また違ってくるのでしょうけれど、日本で暮らす身としては、大人になればなるほど、責任のある立場になればなるほど、自分らしくあることって難しくなるなあと痛感します。このあたりの問題提起の部分については、私は読み始めた段階から新堂先生寄りの考え方だったこともあり、栗原先生よりも、むしろ新堂先生を妙に身近に感じながら読み進んでおりました。

今回、栗原夫妻(イチさんとハルさん)、そして古狐先生夫妻(千代さんと鴨一さん)、夫婦の絆の描写が良く出てきます。「1」でとてもとても微笑ましかったイチさんとハルさん。「2」になると、ハルさんがカンペキすぎて、ついでに千代さんもカンペキすぎて、ちょっと「医者の妻」が美化されすぎな気もして、ひねくれ者の私としては素直に物語に入り込めなかった部分もあり、やはり私は「1」のほうが好きだなーと思いながら読み終えました。それでも「2」も読んでよかったと思えた本でした。スラスラと読めましたし。

それにしても夏川草介氏による信州の山々の描写は素敵ですね。登山なんて全く興味もないどころか、あんな危険で苦しいこと絶対にしたくないとまで思っている私ですが、妙に信州の山々の頂を眺めてみたい気になってしまいました。「1」の映画の公開予定は2011年8月とのことですが、「2」も映画化されるのかしら?「1」の興行成績次第かしらね。(苦笑)しかし「2」を読み終えたら、栗原先生って、ちょっと櫻井さんのイメージじゃないかも・・・と思いはじめ、ちょっと映画を観るのが不安になってきた。(苦笑)大丈夫かなぁ。

| 読書 | 23:54 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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