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Je pense, donc je suis.

Je pense, donc je suis.(我思う、故に我あり。)  というか、ただの日記です。

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カズオ・イシグロ(著)「わたしを離さないで」

ずっと読みたいと気になっていたものの、読む機会を得ずにいたところ、気がついたら映画化されていて、映画化されることでNHK等でもドキュメンタリー番組を放映していたりしたので、それを見たらさらに読みたい気持ちが強くなって、ついに読むことにした本が、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」。この本は2005年発表の長編小説(原題は『Never Let Me Go』)で、同年のブッカー賞(世界的に権威のある文学賞の一つであるイギリスの文学賞)の最終候補にもなった作品です。

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

カズオ・イシグロ 早川書房 2008-08-22
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by ヨメレバ


一言でいうなら「穏やかで衝撃的」な社会派の小説。かなり衝撃的な内容なのだけれど、ただ衝撃的というわけではなくて、文体も、その主人公の目線も非常に淡々としているので、妙に穏やかな衝撃を投げかけてくる本。ジャンルは何になるんだろう?非現実という点では、一応SFになるのかな?でも非現実なんだけれど、恐ろしいぐらいに現実にありえそうな内容が描かれているので、非常に考えさせられる社会派な小説です。形式的には回顧録。ヘールシャムという孤児院を連想させるような施設(※ネタバレになるので詳細は書きませんが)で楽しく幸せな幼少期を送ったキャシーが、当時の友人たちとの交流を回顧しつつ、今現在の自分と友人たちの状況をポツリポツリと語るといった感じの作風です。

以下、この本、ネタバレなしで語るのは不可能に近いので、折りたたんでおきます。
(※ネタバレはしておりますが、最終的な物語の結末については触れておりません。)


この本を読んだ人が必ず考えさせられるのは、人間のクローン化の是非。臓器提供を目的として作り出されるクローン人間の存在。彼らには知性も思考能力もあるし恋愛だってするし夢も見る。それでも、この本に描かれているクローン人間は、生まれついての自分の存在意義と使命については納得しており、「提供」に至ることも、その後の自分自身の行く末についても、そこは割り切っており、それらを淡々と語っていく。この淡々とした空気が不気味にすら見える。それでも抱くささやかな夢を思うとせつない。医療は日々進化しているけれど、原子力同様に、どこか超えてはいけない一線、開けてはいけないパンドラの箱、神の領域を侵す人間の驕り、考えても答えの出ない、まだ世界中が答えを探しているような大きなテーマ、そんなことを考えさせられる本でした。カズオイシグロの本といえば、たぶん家のどこかに「日の名残り」もあったはず。映画は見たけど読んでなかった気がするので、「日の名残り」も探して読んでみようかな。

| 読書 | 23:18 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

こんにちは。

私も今年になって読みました。
あり得ないと思いつつ、科学的にあり得るリアル感、一つの目的のためにクローン人間を育てること・・・さまざまなことが恐ろしく、また胸に迫りました。こう書くと一言になっちゃいますが、重たくいろいろなことを考えさせられました。
でも、読んでよかった1冊です。

| まりお | 2011/08/08 12:04 | URL |

>まりおさん

まりおさんも今年になって読まれたんですね。
これ、本当にたくさん考えさせられる本ですよね。
そして、読んで良かった一冊という言葉も、まさに同感です。
言葉にすると難しいけれど、さらっと、淡々とズッシリした内容の本ですよね。

| JOLLY→まりおさん | 2011/08/08 21:02 | URL |















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