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Je pense, donc je suis.

Je pense, donc je suis.(我思う、故に我あり。)  というか、ただの日記です。

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角田光代(著)「八日目の蝉」

角田光代(著)「八日目の蝉」を読みました。第2回中央公論文芸賞を受賞した作品だそうです。ドラマ化も映画化もされているようで、映画は2011年4月29日から公開されるのだとかで書店でも前方に置かれておりまして、なんとなく目に入り、そういえばお友達が「今年読んだベスト」だって言ってたなーと思い出し、気になったので読んでみることに。

八日目の蝉 (中公文庫) ←文庫本

角田 光代 中央公論新社 2011-01-22
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八日目の蝉 ←単行本

角田 光代 中央公論新社 2007-03
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ジャンルはサスペンスになるのでしょうか?サスペンスといっても犯人探しをするような類の物語ではなく、愛人であった男性と本妻との間にできた子供を誘拐してしまった女性の3年半に渡る逃亡劇と、誘拐犯である女性に育てられていた子供の事件後、大人になってからの人生を描いた作品なので、どちらかというと人間ドラマという印象のほうが強いです。全体的に明るい話ではありません、どちらかといえば重たい話なのですが、読み進めていくのは全く苦ではなく、スラスラと読めてしまいます。後味も悪くはありません。

全編に貫かれているテーマは「母性」。この「母性」というものに共感できるかどうかが、この本を楽しめるかどうか、ハマるかどうかの鍵だと感じます。おそらく「母性」が強い人ほどハマる本。なので既に母である人が、一番感情移入しやすく共感しやすいのではないでしょうか? 子供がいる人にしかわからない感情、子供という存在が全てを投げ打ってでも守りたいかけがえのないものであることを既に実感している人は、おそらくこの小説に共感し物語の世界に入り込みやすい気がします。裏を返せば、この物語、男性には支持されにくい気がする。(苦笑)

かくいう私はというと、一応「女性」ではあるものの独身で母性に欠けるうえに、脳がかなり「男性」寄りで現実主義なところがあるので、やはり登場人物には共感はできないまま終わってしまいました。理性で物事考えて読んじゃダメなんだと思います。感情で理解していかないと。私は読みながらも、ついつい理性が働いて「家が買えるほどの(=4000万円近い)預貯金があるのに、それを投げ出してまで逃亡しちゃうの?もったいなーい。」とか、「逃げとおせるわけないじゃん!」など、超現実的なことを考えてしまいがちなので。(苦笑)そんな私でも、誘拐犯であった希和子が少女との別れ際に叫んだ一言が何なのか知ったときにはポロポロと涙がこぼれました。

「八日目の蝉」というタイトルも奥が深いです。蝉は地上に出てから7日目に死ぬという。他の蝉が7日目で死んでしまった中で、一人だけ八日目を生き、他の蝉が見れなかった景色を見て、他の死んでしまった蝉が経験できなかったことを経験できる八日目の蝉は果たして幸せなのだろうか?不幸なのだろうか?この物語は問いかけ、そして主人公は答えを出すわけですが・・・。この「八日目の蝉」というタイトルといい、情景が目に浮かぶような心理描写といい、非常に文学的な作品だと思いました。

| 読書 | 00:44 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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万城目 学(著)「ホルモー六景」

「鴨川ホルモー」にはイマイチ乗り切れなかったものの、とりあえず万城目学のファンタジーテイストは嫌いではないので「ホルモー六景」も読んでみました。この作品は「鴨川ホルモー」の続編とのことですが、物語の時系列は「鴨川ホルモー」とほぼ同時進行なので、続編というよりもスピンオフといった感じの短編集。 「鴨川ホルモー」に出てきた脇役の方々たちを中心にしたオムニバスの短編集で、すべてが「鴨川ホルモー」にリンクしています。

ホルモー六景

万城目 学 角川書店 2007-11
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プロローグ 、第二景・ローマ風の休日 、第三景・もっちゃん 、第四景・同志社大学黄龍陣 、第五景・丸の内サミット、 第六景・長持の恋の6作品からなる短編集なのだけれど、どれもこれも「鴨川ホルモー」に繋がる人物たちが主役となっており、最後の物語には「鹿男あをによし」に出てくる料亭「狐のは」が出てきたりもするので、万城目学ワールド好きには、なかなか面白い作品だと思います。 個人的には、「鴨川ホルモー」よりも読みやすかったです。ってことは、やはり私はホルモーという競技自体に興味が沸かなかっただけみたい。(苦笑) どの話にも共通しているのは「恋」でしょうか。 全部が全部というわけではないけれど、微笑ましい「恋のはじまり」が描かれています。 嫌味なく、本当に微笑ましいさわやかな「恋」の数々に暖かい気分にさせてもらいました。個人的に一番好きなのは6番目の長持の恋。歴史にうまく絡めたファンタジーで、妙に滑稽で面白くて、それでいて、うっかり涙しそうになりました。(苦笑) この本、「鴨川ホルモー」を読んだら、セットで読んでみると面白いと思います。

| 読書 | 20:25 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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万城目 学(著)「鴨川ホルモー」

万城目学の「鹿男あをによし」がとても面白かったので、続いて読んでみたのが「鴨川ホルモー」。これまた幼馴染のEちゃんを筆頭に数人からオススメされていた本。万城目学のデビュー作だそうで、2007年本屋大賞候補にもなった作品とのこと。ジャンルは青春ファンタジー(?)、「京大青竜会」という怪しげなサークルに勧誘された主人公が、「ホルモー」という謎の競技を通じて経験する2年間の青春と恋愛を描いた作品。


私の周辺では「鹿男あをによし」よりも、こちらのほうが評判がいいのですが、私は「鹿男あをによし」のほうが読みやすかったし面白く感じました。私の回りの友人たちはみんな「鴨川ホルモー」のほうが好きっていうんだけど、私はどうも読み進めていっても「ホルモー」というものに興味が沸かなかったせいか、ホルモー競技の描写のあたりが退屈に感じちゃって・・・。(苦笑) 

こちらの物語の舞台は京都の京都大学。丸太町だとか、岩倉だとか、衣笠だとか、百万遍だとか、鴨川のデルタ地帯だとか、糺の森だとか、吉田神社だとか、農G(=京都大学農学部グランドの略)だとか、聞けば情景がパっと浮かぶ馴染みのある地名がたくさんでてくるし、登場する4つのサークルの名称なんかも京都産業大学玄武組、龍谷大学フェニックス(旧・朱雀団)、立命館大学白虎隊、京都大学青竜会と関西人の私にはイメージがすぐに浮かぶし、京都で学生をしていた友人も身近に多かったので、全体的な京都の学生のノリや京都大学の学生の生態ってこういう雰囲気だよなーと想像もたやすくできたので、物語の世界にはすんなりと入り込めたし、主人公の心情にも共感もできたのだけれど、とにかく「ホルモー」というものに全く興味が沸かなかったのと、恋愛模様も展開が予想通りだったので、結果として読んでいる私自身が大きく盛り上がらず・・・。 (苦笑) 

それにしても、この物語、やたらと京大生の生態描写がリアルだなーと思っていたら、作者自身が京都大学出身なんですね。どうりで納得。(笑) この本の中で妙に懐かしく感じた単語が「イカキョー」。(笑) 「“いかにも京大生(=京都大学の学生)”っぽい風貌」という意味で、ちょっと京大生のファッションやルックスを小馬鹿にするときに使われる単語です。私自身、最近は使うことが全くなかったから、すっかり記憶から忘れ去っていた単語だったけど、学生時代には使っておりおました。(笑)出てきたとき、あまりにも懐かしくて、おもわずクスっと笑ってしまいました。(笑)

| 読書 | 21:50 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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万城目 学(著)「鹿男あをによし」

とくに節電を強いられているエリアではない大阪ですが、東日本の方々が節電しているのに何もしないのも気が引けるということで、これを期に私も電気を使わない時間の楽しみ方を改めて考えてみようと思い立ち、とりあえずダラダラとながら見していたテレビをスッパリと消し、久しくサボっていた読書をしはじめようと、書店にて数冊購入してきました。というわけでまず読んだのは、万城目学の「鹿男あをによし」。この本は、ずいぶん前に幼馴染のEちゃんに薦められていたので気にはなっていたのですが、すっかり読書習慣がなくなっていたのでそのまま放置していたところ、先日、たまたま奈良に行くことがあり、そこでたまたま入ったお店が、この作品をドラマ化した際の撮影に使われたお店だとかで、この本の存在を思い出し、せっかくだからこの機会に読んでみようと手にとってみたというわけです。ちなみに、この本は、第137回直木賞候補にもなり、さらには「2008年本屋大賞」の10作品にノミネートされた作品だそう。



ざっくりとあらすじをまとめるなら、関東から奈良の女子高に赴任した男性教師が奈良公園の鹿に命を受け、日本の滅亡を防ぐために奮闘するお話。ジャンルはファンタジー小説なのだけれど、生意気な教え子たちと格闘していく日々だったり同僚や上司等とのやりとりなんかが平成版『坊ちゃん』的でもあり、とても面白かったです。しかも主人公が必死で食い止めようとする日本の滅亡というのが「大地震」というあたりが、なんともタイムリーすぎて、偶然手にしただけに、ちょっとビックリ。地震の守り神が「鹿島大明神」であることとか、大鯰(おおなまず)が暴れると地震が起こるので鹿島大明神様は大鯰を踏みつけているとか、その鹿島大明神の使いが「鹿」だとか、その「鹿」は奈良とも縁が深い神の使いだとか、そういういわゆる神話や言い伝えの部分もいつになく真剣に読んでしまいました。なんだか、地震の後、導かれるように奈良に行き、導かれるようにこの本を思い出し、そして地震についていろいろ考えながら読むとは妙な感覚。京都や奈良の地名がたくさんでてくるあたりも関西人としては想像をふくらませやすくて面白かった。といっても実はあまり奈良を知らない私。これを機に奈良散策もしてみたくなりました。

| 読書 | 20:29 | comments:7 | trackbacks(-) | TOP↑

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料理研究家・荒木典子さんのお料理本

ちょっと面白いブログパーツを見つけたのでテストがてら、本を紹介してみます。紹介するのは料理研究家・荒木典子さんのお料理本。頑張ってるよね、荒木さん。

もっとおいしい!ルクエ スチームケース

荒木 典子 成美堂出版 2010-11-24
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テリーヌ&ムース

荒木 典子 日東書院本社 2010-09-21
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ルクエのスチームケースも流行ってるよねー。気になるけど最近、お料理ほとんどしないからなー。(苦笑)でも買うならやっぱりグリーンかな。

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| 読書 | 20:55 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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夏川草介(著)「神様のカルテ2」

以前読んだ前作「神様のカルテ」が良かったので(※参照記事こちら)、続編が出たと知り、しかも巷の噂では「1」に勝るとも劣らない内容だというはなしを耳にし、いてもたってもいられなくなり、思わず買って読んでみました。

神様のカルテ 2

夏川 草介 小学館 2010-09-28
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「神様のカルテ」の続編である「神様のカルテ2」は、「1」を読んでいなくても単体でも十分楽しめる内容ではあるとは思いますが、やはり「1」あってこその「2」なので、順番に読むほうが本庄病院の内情や、そこで働く人たちの背景が理解できるぶん、それぞれの登場人物に対する思いいれもグっと深くなるような気がします。ただ、「1」に勝るとも劣らない内容か?と問われると、個人的には「1」のほうが心にグっとくるものが大きかったです。私にとっては、栗原先生の迷いや葛藤や強さの中の弱さみたいなものが「1」のほうが、より自分自身に身近なものだったので。

でも「2」で描かれていた内容も決して自分にとって無関係な内容ではなく、「2」に描かれている問題は、医者の世界だけの話ではない、社会にでて働いている人ならば、多かれ少なかれ感じていたりすることだと思うジレンマだったりストレスだったりなので、やはり考えながら読んでしまう部分というのは大きかったです。社会にでて働いている人ならば、人間らしさや自分らしさと、他人から求められる理想像だったりとの間のギャップに多かれ少なかれ板挟みになっていることでしょう。とくにプロフェッショナルを極めれば極めるほど、プロとして求められることに答えようとすればするほど、時間は足りなくなり、足りない時間を補うには睡眠や休息の時間を削るしかなく、そうなってくると人間らしい生活とはかけ離れていくものなのかもしれません。それこそアイドルなんかやってる人たちも、売れっ子になればなるほどプライベートなんてあってないようなもので、医師同様にプロとしてのプライドや、信念があればあるほど、そのプロフェッショナルとしての理想像と人間らしく生きる時間とのバランスをとるのが難しくなっていくんだよねと、想像を膨らませて寄り道しながら本を読み進めてしまいました。読みながら真っ先に思い浮かんだのは、大好きな釣りで日焼けして自覚が足りないなんて叱られちゃう人のことだったのだけれど、彼もおそらく職業的に求められるものと自分らしくあることとの板ばさみで苦労してるんだろうななんて勝手に想像して同情してみたり。(苦笑) とりわけ医師という職業は「命」を扱う仕事。確固とした信念なくしては働けない環境でしょうし、それだけに人間らしく生きる時間とのバランスをとるためには、それなりの労働環境を整えてもらわなくては無理なのだという現場の医師たちの悲痛な叫びが聞こえてきます。そういう叫びが、この本の中には詰まっていました。

人が他人に求めるものは、無尽蔵であり、かつ無責任なものだと最近痛感します。それらのすべてに答えようとしても限界がある。自分の体を壊してまで他人の期待に答える必要ってあるのだろうか?どこで割り切るか、その割り切るラインには正解も不正解もない。古狐先生のおっしゃるとおり、それは各々の信念であり哲学の問題で、そこに正解も不正解もない。でも悲しいかな、日本の社会って『滅私奉公』を美徳とする社会。『公』より『私』を優先すると後ろ指を差されがちな社会。これが欧米だと、また違ってくるのでしょうけれど、日本で暮らす身としては、大人になればなるほど、責任のある立場になればなるほど、自分らしくあることって難しくなるなあと痛感します。このあたりの問題提起の部分については、私は読み始めた段階から新堂先生寄りの考え方だったこともあり、栗原先生よりも、むしろ新堂先生を妙に身近に感じながら読み進んでおりました。

今回、栗原夫妻(イチさんとハルさん)、そして古狐先生夫妻(千代さんと鴨一さん)、夫婦の絆の描写が良く出てきます。「1」でとてもとても微笑ましかったイチさんとハルさん。「2」になると、ハルさんがカンペキすぎて、ついでに千代さんもカンペキすぎて、ちょっと「医者の妻」が美化されすぎな気もして、ひねくれ者の私としては素直に物語に入り込めなかった部分もあり、やはり私は「1」のほうが好きだなーと思いながら読み終えました。それでも「2」も読んでよかったと思えた本でした。スラスラと読めましたし。

それにしても夏川草介氏による信州の山々の描写は素敵ですね。登山なんて全く興味もないどころか、あんな危険で苦しいこと絶対にしたくないとまで思っている私ですが、妙に信州の山々の頂を眺めてみたい気になってしまいました。「1」の映画の公開予定は2011年8月とのことですが、「2」も映画化されるのかしら?「1」の興行成績次第かしらね。(苦笑)しかし「2」を読み終えたら、栗原先生って、ちょっと櫻井さんのイメージじゃないかも・・・と思いはじめ、ちょっと映画を観るのが不安になってきた。(苦笑)大丈夫かなぁ。

| 読書 | 23:54 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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有川浩(著)「フリーター、家を買う。」

今、フジテレビで毎週火曜21時から放映されている同名ドラマの原作本をお友達が貸してくれたので読んでみました。

フリーター、家を買う。

有川 浩 幻冬舎 2009-08
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想像していた以上に面白かったです。とても読みやすくて、数時間ですぐ読めました。重くて暗い話なのかと身構えていましたが、ちっともそんなことはなく、家族の、とりわけ姉と弟の母への愛や優しさが詰まっているせいか、なんとも心が温まる物語でした。そして家族だからこそ、ついつい無遠慮になりがちな態度や言葉遣い、誠治の仕事に対する情熱のなさだったり、堪え性のなさだったり、どこか他人事じゃないというか、身につまされるというか、耳が痛いというか、いろいろ考えさせられる内容でした。仕事が長続きしない、あっさり辞めちゃう誠治ってどうなんだ?とも思う人も多いのだろうけれど、辞める決断すらできずに惰性でダラダラとモチベーションの低いまま会社勤めをしているだけの生活を送っている私としては、たくさんの職種やバイトを経験した上で、自分の適性だったり、本当にやりたいことを探すってのは、一番理想的にも見える。あの三行半を突きつけるような辞め方も憧れるし(苦笑)、後先考えずに突っ走れるのも才能だよなーとか妙な尊敬というか憧れを抱いたのも事実。とはいえ、世の中は、それを許してくれるほど甘くないんだよね。生活していくにはお金は必要だし。かじる親の脛があるからこそ、あんな無茶な辞め方もできるわけで、そこは甘え以外の何物でもないもんね。でも甘えれるものなら一生甘えていたいよねー。(遠い目)

ドラマは、まだ3話までしか放映されていないけれど、3話の段階ではドラマよりも原作のほうが好きです。1話の段階では、どっちもどっちで好きだ(っていうか、かなり原作に近いし)と思って見ていたのだけれど、2話の土木現場でのやりとりとか、描き方とか、ちょっとあざとさを感じてしまった。余計な感動系エピソードとか差し込まなくていいから、原作どおりに作ってくれればいいのに。もうね、何が残念って千葉ちゃんです。どう逆立ちしても香里奈じゃないし、千葉ちゃんをゼネコン社員にしちゃったらつまんない。原作どおりに同じ大悦土木の社員で、ソバカス顔の後輩ちゃんにしておいてほしかったなー。そのほうが微笑ましくてニンマリできたのに。とはいえ、原作とは設定が異なるドラマの方のこれから先の展開も楽しみです。原作を読み終えて、さらに楽しみになりました。

主題歌はこちら
果てない空(初回限定盤)(DVD付)  果てない空   君って

| 読書 | 12:44 | comments:4 | trackbacks(-) | TOP↑

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夏川草介(著)「神様のカルテ」

夏川草介(著)「神様のカルテ」を購入して読みました。本屋大賞(「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」をキャッチコピーとして掲げた賞で、選考資格者が「新刊を扱う書店(オンライン書店を含む)の書店員のみ」)で2010年の2位に選ばれた本だそうです。まあ、私が読もうと思ったのは櫻井翔×宮崎あおいで映画化が発表されたからなんだけどね。(←所詮、某気象系5人組ヲタク)

神様のカルテ (小学館文庫)

夏川 草介 小学館 2011-06-07
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神様のカルテ(単行本)

夏川 草介 小学館 2009-08-27
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キッカケは何であれ、読んでよかったと思えた面白い本でした。1~2時間ですぐに読めるボリュームの作品で、とても暖かくて優しさがたくさん詰まっています。読んでいると、いろんな優しさに心打たれ、静かに涙が流れる、そんな内容の本。主人公の栗原先生は夏目漱石が大好きだという設定なので主人公の喋り方や文体が、いちいち漱石っぽい(=古風な)のですが、私自身が漱石の文体が大好きなので、非常に読みやすかったです。ストレスを全く感じることなく、最後まで気分よく読みすすめることができました。

物語の中には、「死」について「生きること」について、地方の医療事情だとか、大学病院の最先端医療と地元密着型の医療、それぞれの長所と短所、現代の医療が抱える問題について描かれてあって、決して重過ぎるテイストではないけれど、それらが心にズーンと残ります。重苦しい内容ではないのだけれど、登場人物たちと一緒に悩み、一緒に考えさせられるというのでしょうか、とにかく読んでみて!と薦めたくなる作品です。自分が病気になったとき、余命を知り、死期を知り、あとは死を待つのみの状態になったとき、栗原先生のような方に出会いたい。そう思う人は多いことでしょう。

物語の中で、年齢の割りにどこか達観したようなところのある栗原先生が、一度だけポロポロと涙を流して泣くシーンが出てきます。これね、すごく共感しちゃいました。自分に自信がなくなっているときに、不意に自分を肯定してくれる暖かい言葉や優しさに触れると、骨身に沁みるほどありがたいというか、救われるというか、涙が止まらなくなるというか、そういうものなんだよね。最近、実はちょっと、そういう状況を味わったことがあるので、なんだか妙に栗原先生の気持ちに感情移入して、本を読みながら思わずもらい泣きしてしまいました。

栗原先生は、櫻井さんに似合いそうです。櫻井さんは、それほど演技はお上手ではない印象なのだけれど、一生懸命な人を演じさせたときの輝きは、なかなか魅力的だと思っているので、一生懸命なキャラの栗原先生は、案外似合うんじゃないかな? いろいろ不器用なんだけれど、思うところは真直ぐなあたりだとか、いろんなことを達観しつつも医療への熱い思いはあって、そういった内面も、ちょっと古風な喋り方とか、優しい表情だとか、本人は気付いてないけれど案外モテるという外面的な設定もハマりそう。そして「細君」のハルは、作者は宮崎あおいちゃんをモデルにして書いたんじゃないのか?と思うぐらい、他のキャストでは考えられないほど、宮崎あおいちゃんのイメージそのものでした。映画化がとても楽しみです。これは、どう転んでも良作になるんじゃないかな。期待しちゃいます。主題歌はスピッツがいいなー。(←密かにスピッツ好きなのだ。)

詳しいあらすじ等は出版社の公式サイトにまとめてあるようなので、興味のある方は、そちらもあわせて御覧ください。

| 読書 | 00:02 | comments:5 | trackbacks(-) | TOP↑

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岩松 了(著)「シブヤから遠く離れて」

2004年に蜷川幸雄氏の演出、二宮和也主演で上演された舞台「シブヤから遠く離れて」の脚本をお友達が貸してくれたので読みました。お友達に借りて手元には少し前からあったのですが、演劇嫌いな人間は戯曲も苦手なわけで、なかなか戯曲を読む気分になれず、しばらく手元に置いたままで(借りているのに申し訳ない・・・)、やっと自分の気持ちに余裕ができたので読み始めたら1時間で読了できました。それぐらいで読み終えてしまえるボリュームの本です。

シブヤから遠く離れてシブヤから遠く離れて

ポット出版 2004-03-18
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これ、スルメ的な脚本ですね。噛めば噛むほど味が出るというか、1回読んだだけでは、わかりづらいというか、おそらく舞台を見ても、見た後にもう1回見たくなるようなテイスト。独特の余韻が残る作品で、リピーターを呼びそうな作品です。まあ、裏をかえせば、1回では言いたいことが良くわからんというのが正直なところなんだけれど。(苦笑)雰囲気はわかるのだけれど、1回読んだだけでは、そこに描かれている哲学がはっきりとわからない。読解力がなくて情けないけれど。(苦笑)

上演当時のキャストは、

ナオヤ:二宮和也
マリー:小泉今日子
アオヤギ:杉本哲太
トシミ:蒼井優
ケンイチ:勝地涼
黒い服A:飯田邦博
黒い服B:塚本幸男
黒い服C:堀文明
アオヤギの父:清水幹生
フクダ:立石涼子
フナキ:勝村政信

だったそう。ジャニーズ主演の宛書脚本でも、こういう作品もあったんですね。まあ演出で変わってくる部分も多いんだろうけれど、へんにナオヤの存在を強調されているわけではなく、他の登場人物とのバランスがとれていて、ジャニジャニしていない宛書作品でした。内容的に「死」が見え隠れするあたりといい、いかにも二宮さんへの宛書っぽい内容ではあるけれど、それを誇張して煽ってる雰囲気ではない、一つの作品のコマとしてナオヤがいるという感じ。実際に演じている姿を見たかったです。10代の二宮さんにすごくハマりそう。リアルタイムで御覧になれたファンの方々が心底羨ましい。タイムマシンが欲しいね。(苦笑)ちなみに劇中登場するゼラニウムの花言葉は、「君ありて幸福、真の友情、慰め、決心、愛情」等の意味があるそうで、とくに赤いゼラニウムは「君ありて幸福」の意味があるそうです。そういうことをふまえて読むと、さらに奥が深いかも。しかし戯曲は、やっぱり戯曲。演劇嫌いな私のような人間には、このセリフだらけの文章は、やっぱり苦痛だったりしました。(苦笑)

| 読書 | 22:12 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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奥 浩哉 (著) 「GANTZ (ヤングジャンプコミックス) 」1~6巻

主演:二宮和也×松山ケンイチで実写版で映画化が決まっているマンガ「GANTZ (ヤングジャンプコミックス) 」を1~6巻まで読みました。まだ連載中で30巻近くまで出てるらしいのですが、とりあえず友人の手元にあるという6巻まで借りて読んでみました。

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噂では、かなりグロくて残酷だと聞いていたので、たぶん生理的に受け付けないであろうと覚悟して、かなり身構えていたのだけれど、これが案外平気で一気に読んでしまったという・・・。我ながらビックリ。というのも、読みはじめて気づいたのだけれど、この系統のグロさと残酷さって、「北斗の拳」(原作:武論尊、作画:原哲夫)で免疫がついてるんだわ、私。 「北斗の拳」もグロくて残酷で、最初はビビりながら読んだものだけれど、だんだん感覚が麻痺してしまい、残酷描写に嫌悪感を感じることなく妙に続きが気になって結構夢中になって読んでたので、それに慣れていたせいで、この「GANTZ」も平気でした。

でも、人には勧めないなー。とくに女性には勧めない。(苦笑) 噂どおりグロくて残酷で暴力的(人間の輪切りだとか頭部がちぎれたりだとかする描写が沢山出てくる)だし、思春期の男の子の妄想が詰まってる感じで女性の裸やエロ描写もたくさんあって、その女性の描き方が、あまりにも男性目線で御都合主義すぎるので、同じ女性という立場で読むには若干失笑すら覚えるレベルなので。(苦笑)ただ、このマンガ、とにかくまだ終わってないみたいだから、どいういうオチが待っているのかわからないのだけれど、何も知らされない主人公たちが突然あたえられたタイムリミットのある有り得えねー度満点の環境の中で、手探り状態でヘンテコリンな宇宙人(※6巻までに登場するのは、ネギ星人、タナカ星人、あと仏像軍団)相手にサバイバル(殺人)ゲームみたいなことをしていくという内容が、ひたすら延々と繰り返されていきます。そこにある哲学が何なのか、6巻まで読んだだけだと、わかったようなわからんような感じ。登場人物たちは、最初は「殺す」という行為に抵抗を感じ、顔を背け、逃げることを選んでいたけれど、だんだんと慣れてくるにつれて「殺さなければ殺される」という恐怖心から、積極的に「戦う(=殺す)」ようになっていきます。読み手である私も、最初は残酷描写やグロ描写にビビりながら読んだものだけれど、途中からだんだん感覚が麻痺してしまい、当初抱いていた残酷描写に対して嫌悪感を感じることなく妙に続きが気になって結構夢中になって読んでしまうという「慣れの恐ろしさ」を自覚させられました。その「慣れの恐ろしさ」を自覚させること自体が、このマンガの目的なのか?とも思ったり・・・。

しかし、これを映画化するとして(※映画「GANTZ」公式サイト)、どこまで実写化するんでしょうか?白黒だから耐えられたグロ映像もカラーになると、さらに生々しくなるだろうし、実写になるともっと痛々しいだろうし、内容を原作に忠実に実写化しようとおもえばPG指定もR指定も必須になってくると思うのだけれど、聞くところによると指定なしなんでしょ?実写版のキャストは玄野計(くろの・けい)役が二宮和也、加藤勝(かとう・まさる)役が松山ケンイチとのことですが、二宮さんは、どこまでやってくれるんだろう?玄野君って、かなりエロ妄想が炸裂しちゃってるキャラなんだけど・・・。「大奥」といい、2010年、二宮さんはエロ路線で攻める気なんでしょうか?原作に忠実だと、超エロ宮が見える?なんて期待してしまいますが、R指定なしのPG指定なしだし、主演がJ事務所所属だと、たぶんかなりオブラートに包まれちゃいそうだなぁ・・・。(苦笑) ただ、エロ妄想で暴走しているあたり以外の部分においては、ビジュアルもキャラも妙に似合ってる気がします。1巻の数ページを読んだ段階(地下鉄のホームのシーン)で、玄野役が二宮さんにオファーされた理由がわかったというか、妙に納得してしまったし。ああいう冷めたところだとか、周囲を冷静に観察してるところだとか、小柄なビジュアルも妙になんだかシックリときたので。ただGANTZスーツを着て強くなって戦うイメージは全く二宮さんにはないけどね。(苦笑) ちなみに原作の加藤勝は、全くもって私の持つ松山ケンイチのイメージではありませんでした。(苦笑) 加藤君は、私にとっては、若かりし頃の長瀬君(TOKIO)で見たいなーと思わせるような人物。そのあたり、マツケンがどれぐらい化けてくれるのかも見所かもしれない。あとワイドショーではヒロインは吉高由里子だと発表されていたけれど、岸本さんではなく、小島多恵役とのこと。そんな役、原作に出てくるの?少なくとも6巻までには出てきてないよね?そして岸本さん役は夏菜ってなってたけど、こっちはそんなに重要じゃないの?マンガだと玄野君との絡みが多いし(しかも裸シーンだらけ)、てっきり岸本さんがヒロインなんだと思っていたんだけど・・・。とりあえず、実写版となると、やっぱり、このマンガの持つグロさと残酷さを考えたら、あまり見たくない部類の作品なんだけれど、玄野なエロ宮は見たいんだよなー。(苦笑) でもエロ宮目当てでも、やっぱり劇場鑑賞はパスしちゃいそうな予感。(苦笑)

| 読書 | 00:41 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑

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よしながふみ(著)「大奥」

「読書」というカテゴリーに入れるには、非常に抵抗があるのですが、まあいいか。巷で発売されている雑誌「日経エンターテイメント」で、かの世界的俳優様の2010年のお仕事として記載されていたとかで、本当に彼が出演するのか?とヲタク界で話題になっているマンガ「大奥」を読みました。


大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

白泉社 2005-09-29
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といっても読んだのは1巻だけですけど。内容は男と女が逆転した設定の江戸時代の大奥のお話。将軍様が女で、大奥の人たちが男という設定。イケメンわらわら状態だからドラマ化したら一般的にはウケるとは思いますが、お色気系でもあるので、あの世界的俳優様が!?と妙に期待が膨らみます。本当に彼が出演するのか、なんとも真相が気になるところ。1巻だけしか読んでないのですが、世界的俳優様が演じると思われる役(水野)が出てくる話が1巻で終わってしまうっぽいから2巻以降に手が伸びないのだけれど、この先、このマンガがどう展開していくのか、気になるっちゃー気になる。でも買ってまで読み続けたいと思うかというとこれまた微妙な雰囲気だったり。でも、面白いッちゃー面白い。そんなマンガでした。

| 読書 | 23:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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山崎豊子(著)「沈まぬ太陽」

山崎豊子(著)「沈まぬ太陽」を読みました。というか、正直に言うと、読み始めたのは数年前。4巻まで読んで、そのまま放置しておりまして、最近になって渡辺謙主演で映画化されたというCMを見て「あ!そういえば、私ったら4巻まで読んだままで止まってる・・・」と思い出し、慌てて最後の5巻を読みました。

この本は、かつての同僚のY君が紹介してくれたもの。Y君は、1度読んだ本は手元に置かないという主義の人で、この「沈まぬ太陽」も「読み終えて処分しようと思ってるんですが、読みますか?僕は個人的にすごく面白いと思ったんですが、読むなら差し上げますよ。どうせ捨てるだけなので。」といって5巻まとめてプレゼントしてくれたのである。なのに4巻まで読んで止まっていたという・・・。申し訳ない、Y君。

なぜ4巻で止まっていたかというと、ずばり、疲れたから。私は長編小説が好きなので5巻という長さは全く苦にならなかったものの、内容の一部が苦手だったのです。この作品のモデルとなっているのは日本航空。事実を取材して小説的に再構築されている人間ドラマなのですが、ニュース、ドキュメント、公文書、内部資料などを駆使して書かれているので、フィクションなんだけれど、かなりリアルな内部告発的な印象も強い作品で、非常にスリルもあるし、人間ドラマも目が離せないので、とある部分までは一気に読み進んでいたのですが、この本、途中の御巣鷹山での日航機墜落事件の惨状の描写が非常に生々しくてグロくて長いんです。もう戦争映画を見ているような悲痛な気分というか、その手のものが苦手なので、途中から疲れちゃってね。そこを読み終えた段階で疲れきってしまい、力尽きちゃったという・・・。(苦笑) まあ、そこをどれだけリアルに描写するかに心血注いで書かれている作品だから、そうあってしかるべきなんですが、その手の映像や描写がもともと苦手だから、ちょっとキツかったという・・・。でも、総合的には面白かったですよ。、企業と政治の癒着だとか、大人の事情だとか、不条理な世の中、許されざる隠蔽工作、権力争いなどなど、とても面白い。不条理さに関しては本当にイヤな気分になりましたが、恩地さんの不屈の精神だとか真直ぐな正義感だとか、会長の人間性だとかには純粋に感動しました。映画では渡辺謙が恩地さんを演じるとのことですが、この配役はピッタリだと思いました。しかし、恩地さんって凄いよね。あそこまで不屈の精神を持っている人って凄いと思う。今の日本に、ここまで頑張れる人って一体何人いるだろう?(遠い目)。山崎豊子さんの文章は非常に男性的。大好きです、こういう男っぽい文章。内容も硬派で好みです。しかし日本航空の目が黒いうちは、この作品の映画化やドラマ化は絶対に無理だろうと思っていたのだけれど、今や映画化されているということは、いよいよ日本航空がヤバイのか?と本気で心配になっております。(苦笑) どうなるんだろうねJAL問題。とりあえず数ヶ月前からクレジットカード類で溜まるマイレージは全部ANAで溜めるように切り替えております。JALがいつ潰れても実害がないように地味に危険回避中。(苦笑)

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

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ベルンハルト・シュリンク(著)「朗読者」

映画「愛を読む人」を見て、原作が気になるとブログに書いたら(※参照記事こちら)、その記事を読んでくれた会社の後輩のIちゃんが「私、原作持ってますよー。」といって本を貸してくれたので読んでみました。

朗読者 (新潮文庫)朗読者 (新潮文庫)
Bernhard Schlink 松永 美穂


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本自体は、薄い文庫本で活字も大きいので、あっという間に読めました。文体もとても読みやすい印象。とにかく映画を見てから本を読むと、改めて、あの映画が原作のイメージにかなり忠実に映像化されていたことに感心しました。もちろん細かく見れば、映画と微妙に違う部分もあるのですが、全体的な空気みたいなものがピタっと一致しているという感じ。もちろん本ありきの作品ですが、映画を見てから本を読むと、この映画化した意義を改めて感じさせられる本でもありました。とりわけドイツの持つナチス時代の暗い歴史の部分、そこは、どんなに言葉を駆使して残酷な爪あとを表現するよりも、あの収容所の薄暗い映像が与えるゾっとする恐怖には敵わない気すらしたので。そして、本を読んでも、あまりハンナという人物の考えていたことや背景については映画で描かれていた以上のヒントは、それほどたくさん記載されていたわけではなかったものの、映画では述べられていなかった、ハンナが看守時代に弱くて華奢な女の子を朗読係に任命していた理由だとか、ハンナが文字を読めるようになってから積極的に手にした本がナチス時代の収容所での被害者の様子を書いたものだったことや、服役中のハンナが、ある時期を境に身なりにすらこだわらなくなった理由を刑務所の女所長が語っていたあたりを読むと、ハンナという人の優しさだとか正義感、そして最後の決断に至るまでの心情が映画で見て感じた以上に理解できたような気持ちになりました。そして主人公のミヒャエル(マイケル)の心情については、一人称で非常に丁寧に葛藤の理由まで描写されているので、映画で疑問に感じた部分や理解しづらかった部分などが、とてもクリアになりました。この作品は、映画と本と二つを知ることで、相乗効果が生まれて理解が深まるような作品だと思います。なので映画で興味をもたれたなら、ぜひ読んでみて欲しい本。思い出は、せつなく、そして美しい。なんとなくそういう印象の1冊です。

| 読書 | 01:17 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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パトリシア・ハイスミス(著)「見知らぬ乗客」

パトリシア・ハイスミスの処女長編作「見知らぬ乗客」を読みました。もちろん、二宮さんが今度グローブ座でする舞台の原作ということで好奇心を刺激されたわけですが、残念ながら、この本は、現在絶版中で重版の予定もないらしい。私は通りすがりのブックオフ(=古本屋)で偶然見つけました。中古屋さんに行くとけっこうあるかも。ブックオフ(オンライン)では現在在庫なしですが、登録しておけば入荷次第メールでお知らせしてもらえるみたいです。

読んでみて初めて気付いたのですが、この作品は推理小説だとかサスペンスだとかじゃないんですね。文庫本で約400頁の小説ですが、物語のオチだとかストーリー展開を魅せる作品ではなく、そこに至るまでの登場人物の心理変化だとか心理描写を細かくリアルに描いた純文学ともいえる作品でした。なので、気軽に読もうと思った割には、思いのほか手ごわくて、私には読みづらかったです。というのも心理描写が中心で、なかなか話が展開していかないので。私は話がグイグイと展開していく単純な本のほうが好み(←要するに読書の才能があまりない)なので、この作品のように心理描写が延々と続くような小説は基本的には苦手。

これから舞台を御覧になる方もいらっしゃるだろうからネタバレは控えますが、ネタバレといっても、特に先に知っていたからといって面白さが半減するような作品ではなく、ストーリーに関しては、あらすじで全て語りつくされているといっても過言ではないぐらいにシンプルな作品なので、ネタバレにあまりこだわる必要もない気もします(=むしろ先に本を読んで予習していたほうが役者の演技を深く楽しめる気がする)が、とりあえずザックリと言うなら、見知らぬ乗客同志の青年2人が列車の中で知り合い、互いの身の上話などをしているうちに、お互いの人生における邪魔な人物の交換殺人に至るという話です。登場人物も少なくて、場面転換も少ないし、会話中心で進む心理描写が多い作品なので、舞台化に向いている作品だという印象。

メインとなる登場人物は2人の青年。1人(ガイ)は、真面目で保守的な、どちらかというと一般的な人物。もう1人(ブルーノ)は、小悪魔的で攻撃的な性格の青年で、狂人的な不気味さを持った人物。ちなみに二宮君は、後者の小悪魔的で攻撃的なブルーノを演じるそうです。小説をあまり意識せずに読んでいくと、ごく一般的な人物であるガイに感情移入しやすいのではないかと思います。感情移入しやすい人物であることもあって、主人公はどちらかというとガイだという印象だったのですが、舞台の脚本は、ガイではなくブルーノの視点で描かれてるとのこと。そのブルーノを演技力に定評のある二宮君が演じるというのだから、かなり見ごたえがありそう。というのも小悪魔的な要素だとか、攻撃的な物言いだとかって、もう本を読んでいるだけでも様子が目に浮かぶぐらいに二宮君にハマりそうなんだもの。ガイにかまって欲しくて仕方がないあたりとか、父親への憎悪とか、マザコンっぷりとか、アルコール中毒っぷりとか、なんだかものすごくたくさんの演技の引き出しを開いて見せてくれそうで、本を読んでしまったら、さらに舞台が見たくてたまりません。でもチケットがないというジレンマ・・・。(苦笑)せつない。 

それにしても、この作品も内容が重くて暗いし、演じる側も「殺人者」という役だと抱えるものが重いだろうし、公演期間中、他のお仕事との気持ちの切り替えがたいへんそうだね。まあ、そのあたり二宮君は器用そうだし、得意分野のお仕事だから、相葉君の時ほどは心配はしていないけれど、コンサートリハーサル等と重なるハードスケジュールは心身ともに負担が大きいだろうから、とにかく体調を崩さぬよう、千秋楽まで頑張ってください。応援しています。

原作は残念ながら現在絶版中。

4042518028見知らぬ乗客 (角川文庫)
Patricia Highsmith 青田 勝
角川書店 1998-09

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英語で読むって手もあります。英語版はマーケットプレイスでも安い。

0099283077Strangers on a Train
Vintage 1999-08-12

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0140037969Strangers on a Train (Penguin crime fiction)
Patricia Highsmith
Penguin (Non-Classics) 1979-06-28

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クレイグ・ワーナーの戯曲はこちら

057301972XStrangers on a Train (French's Acting Edition)
Samuel French Ltd 2003-02-20

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ヒッチコックの映画はこちら。

見知らぬ乗客 [DVD] FRT-106見知らぬ乗客 [DVD] FRT-106
アルフレッド・ヒッチコック, パトリシア・ヒッチコック, ルース・ローマン, ファーリー・グレンジャー, アルフレッド・ヒッチコック


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弘兼憲史(著)「知識ゼロからのワイン入門 」

最近、外食=フランス料理になることが多いこともあってワインを飲む機会が増えた。が、私はワインの知識が全くないド素人。ソムリエさんに説明してもらっても「ふーん」とその場限りで記憶から消えていく。幸いフランス好き&フランス国内を旅行するのが好きなおかげで、フランスの地名に関してはそれなりに位置や気候の特徴は把握しているので、せっかくなら、その知識を生かして、どこのワインがどんな味で、どんな特徴があるのかぐらい学んでみようかと思い始めた。ただだらだらと飲んだくれているだけではもったいない気がしてきたのである。

とりあえずワイン講座にでも通ってみようかと思ったのだが、基本的に物事を学ぶに当たっては、極力お金をかけたくない&自分でできることは先に自分でやりたい派なので、本でも読んで独学してみようと思い立ち、友人のダンナ様でワイン大好き&ワインに詳しいKさんにワインの基礎知識を学ぶのにオススメの入門書を尋ねてみたところ、漫画家の弘兼憲史氏の「知識ゼロからのワイン入門 」を薦めてもらった。Kさんは、ワインブログを持っていて、今や、私の中では「身近なソムリエ」と呼びたくなるほど知識の豊富な方なのだが、そんなKさん曰く、ワイン本はいろいろ買い求めたけれど、この本が一番分かりやすく、面白かったとのことだったので、速攻同じ本を買い求めて読んでみることに、

知識ゼロからのワイン入門知識ゼロからのワイン入門
弘兼 憲史


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さすがに、いろんな本を読み比べた方のオススメなだけあって、わかりやすくて読みやすい。マンガ入りエッセイのような雰囲気なので、堅苦しくないし、表なども見やすくてわかりやすいし、必要最低限の知識はちゃんと教えてもらえる。軽く勉強するにはピッタリでした。本気で丸暗記するレベルまで読み込んでいないのですが、ワイン辞書がわりに、パラパラとめくっては、「ほうほう」と納得したりして、重宝しております。Kさん、教えてくれてありがとう。あまりハマりすぎない程度に、ワインを選ぶ楽しみをこれから、ジワジワと深めていきたいと思います。

他にも、いろいろ続編やシリーズものがあるみたいです。

知識ゼロからの世界のワイン入門―イタリア、カリフォルニア、スペイン、チリ、オーストラリア、ドイツ…知識ゼロからの世界のワイン入門―イタリア、カリフォルニア、スペイン、チリ、オーストラリア、ドイツ…
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さらに極めるフランスワイン入門さらに極めるフランスワイン入門
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知識ゼロからのプレミアムワイン入門知識ゼロからのプレミアムワイン入門
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知識ゼロからのワイン&チーズ入門知識ゼロからのワイン&チーズ入門
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太宰治(著)「人間失格」

今年は太宰治生誕100年だそうで、それに伴う某ラジオ局の企画「人間失格」を現代風にアレンジして朗読するというものの朗読係として、私の敬愛する某気象系グループのラップ隊長様が抜擢されたということで、改めて自宅の本棚にあった「人間失格」を引っ張り出して読んでみた。

太宰治の「人間失格」は、太宰が自殺する1948年(昭和23年)に発表された自伝的小説。はるか昔に読んだきり、すっかり内容を忘れてしまっていたのだけれど、確かどうしようもないダメ人間の話だったような・・・心中に失敗して、女性だけ死んでしまって生き残ってしまった男が酒びたりになっていくという話だったような・・・という程度の記憶しかなかったので、改めて再読してみましたが、やはり心中自殺に失敗して一人だけ生き残ってしまって酒びたりになっていたどうしようもないダメ人間の話でした。(笑)とはいえ、そこは太宰治。面白いんだよねー。太宰治の文章は歯切れが良くて好き。といっても、そんなに太宰の本を読んだことはないのだけれど、とにかく文章に無駄がないという印象。非常に論理的でかつ文学的で、最小限の文章で言いたいことを伝えるリズミカルな文章。

そんな太宰の文章で綴られる「人間失格」は、某気象系グループのラップ隊長様も自らが出演するニュース番組のカルチャーコーナーでコメントしていたけれど、「人間失格」だなんて、全否定のタイトルからも内容からも、どうみてもネガティブな小説のようなのだけれど、ネガティブな枠の中で一生懸命に生きた男の物語というか、必死で「生」と向き合った男の物語とも読み取れる内容なので、ネガティブさだけがクローズアップされるのはもったいない感じ。

主人公の葉ちゃんのダメ人間っぷりは、呆れつつも、ダメになるには理由があって、その結果ダメになりましたとい、ういわば、実験、結果、考察といった理系のレポートみたいに要点を突くように文章が展開されていくせいか、そのダメの流れやダメの連鎖反応に納得できてしまう部分もあって、結局、合格な人間なんているのかな?とすら思ってしまうぐらい。まあ主人公の葉ちゃんがダメ人間なことには変わりないのだけれど、このダメ人間が、ただのダメ人間じゃないというか、自分のダメさを冷静に自己分析して、自分のダメさを痛感して、その恥を赤裸々に書き連ねている様子を見ると、ここまで冷静に自己分析できる人間でありながら、ここまでダメ人間だなんて、本当に凄いなと思ってしまう。
いったいこの段階で何歳なんだろう?と読み続けるたびに思わせておいて、最後に「自分はことし二十七になります。」ってな種明かしに心底ビックリ。27歳!?たった27年間で、これだけのことを経験したの!?と驚かずにはいられないぐらいの壮絶なる人生は、呆れるやら笑えるやら。

そんな「人間失格」ですが、映画化が決まったようですね。主人公のダメ人間「葉ちゃん」は生田斗真氏だとか。モテ男伝説や「チューしてやろか」のくだりなんて、さぞや色男っぽくなることでしょう。(個人的には、このくだりの櫻井さんのラジオ朗読が聞きたかった~。←聞けない地域在住民。) でも、どうせJの事務所からの人選なら、某大臣に「人間失格」の烙印を押されたクサナギ君をいっそのこと抜擢しちゃって、セルフパロディっぽくアル中の葉ちゃんを演じさせたら面白いのにと思ったり。不謹慎すぎる妄想ですかね。(苦笑)でも、某大臣のお言葉だとか例の騒動を抜きにしても、クサナギ君の雰囲気って、太宰の「人間失格」の世界に結構似合うと思うんだけどな・・・。

表紙をマンガにしたら、売上が急増したという噂の集英社文庫。

人間失格 (集英社文庫)人間失格 (集英社文庫)
太宰 治


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私は昔から変わらぬ岩波文庫の装丁が好きです。本棚に並ぶと「ザ・文学」って感じがするから。(笑)

人間失格、グッド・バイ 他一篇 (岩波文庫)
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村上春樹(著)「ノルウェイの森」

村上春樹の「ノルウェイの森」と言えば、もはや、知らない人はいないんじゃないか?というぐらい有名な本ですが、実は、私、おはずかしながら今の今まで読んだことがありませんでした。というか御存命中の日本人作家の本(=流行小説)って、気になるものの、よっぽどのことがない限り自分で買ってまで読まないので、村上春樹の著書も例に漏れず、今の今まで一冊も読んだことがなかったという・・・・・。(恥) 

そんな私が、なぜ今ごろになって、この本を読もうと思ったのかというと、この作品の映画化の噂を耳にして(※監督・脚本を務めるのは、『シクロ』『夏至』を手がけたフランス人映画監督トラン・アン・ユン。キャストは未定。)、「そーいえば、私、原作を知らないや・・・。っていうか村上春樹の本すら読んだことないなー」と思い、キャストが発表されて登場人物のイメージが出来上がってしまう前に読んでおきたいと思いつつも、すっかり忘れていたのだけれど、最近、その『ノルウェイの森』の映画化に際してメガフォンをとるトラン・アン・ユン監督の最新映画『I Come with the Rain』でキムタクが全編英語で出演したことが話題になり、トラン・アン・ユン監督の名前もマスコミやテレビで紹介されはじめ、「あ、そういえばトラン・アン・ユンって『ノルウェイの森』を撮る人じゃなかったっけ?そしてまだ『ノルウェイの森』を読んでいない・・・」と思い出し、身近な読書家の友人に確認してみたところ、「持っているから、貸してあげる。」ということだったので、お言葉に甘えて貸してもらい読むことに。あくまで自分で買って読むという選択肢のないセコイ女・・・・・。(苦笑) 

出版社/著者からの内容紹介によると「激しくて、物静かで哀しい、100パーセントの恋愛小説!あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くこと__。あたらしい僕の大学生活はこうしてはじまった。自殺した親友キズキ、その恋人の直子、同じ学部の緑。等身大の人物を登場させ、心の震えや感動、そして哀しみを淡々とせつないまでに描いた作品。」とのことで、あまり恋愛小説自体に興味のない私としては、果たして受け付けられるんだろうか?と不安になりつつも読みすすめていきましたが、普通にすんなりと読めました。読みやすかったです。基本的に男性作家の文章ほうが女性作家の文章よりも相性がいいこともあり、この手の文章は好みでした。ただ、作品自体は、それほど好みではない。なんだか女性たちにあまり共感できなかったので。(苦笑) でも、これ、別に恋愛小説でもないよね?

とりあえず、印象にのこったのは「生と性」。「生と死」という関係性よりも「生と性」の関係性のほうの印象が強かった。まるで「生」の象徴のように「性」が描かれている。この本の中では、確実に男性の登場人物たちより女性の登場人物たちのほうが「性」に執着している印象。この物語に出てくる女たちは、「性」にたいして、やたらと執着しているというか、あけすけというか、ちょっと驚く。時代設定は、昭和30年台あたりでしょ?その当時、こんなにも女性は性にあけすけだったんだろうか?それとも「僕」が、あまりにも男女間の垣根を感じさせない存在だったので、羞恥心が消えて語りやすい相手だっただけ?

この物語には自ら「死」を選ぶ人間(=自殺者、自殺未遂経験者)が、主人公である「僕」の周辺だけでも4~5人出てくる。自殺者及び自殺未遂経験者が、そんなにも身近にいるような、あまりにも普通じゃない環境で生きてきているのに、あまりにも普通っぽい「僕」。そんな風に自ら「死」を選んでしまうような弱い人間と、その対極にいるような強い人間と、両方の人間に囲まれて生きる「僕」。そんな両極端な人間の両方を、ものすごく冷静に扱う「僕」。そして、世の中は弱肉強食で、生き残るのは強い人間。強い人間は、「生」を選び、「性」を求め、「死」をまのあたりにしても動じず、「孤独」にも動じず、他人の気持ちはおかまいなしに自分の本音に正直に生きていく。一方、弱い人間は「生」よりも「死」を選ぶ。そして、「死」を選ぶものは「性」を放棄し、「性」に絶望したものは「死」を選び、「生」を謳歌するものは「性」を求める。なんだか、文章がまとまりませんが、そんな感じのお話でした。

この物語の「僕」のモットーとしている「あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くこと」は、私のモットーでもあります。物心がついた頃、これが一番自分を守る(=がっかりしない、傷つかない)のに最適な方法だと気づいてからは、物事に執着しすぎない、期待しない=「しかるべき距離」を無意識にとっている気がします。だから、「冷めている」とよく言われる。(苦笑) そんなこともあってか、「僕」という人物は、非常に理解しやすく、感情移入しやすい人物でした。ちなみに、本を読みすすめている間、「僕」は、私の脳内では妻夫木聡に変換されておりました。なんとなく昭和な印象の普通っぽい青年ということで。ジャニーズだったら嵐の二宮君がいいな。昭和な印象の普通っぽさを持っていて、それでいて憂いが似合って、どこか冷めた空気が似合う青年ということで。でも、これ映画化するなら性描写が多いからNGコードの多いアイドルじゃ厳しそうだね。男性もさることながら女性陣が難しいよね。裸は避けられないだろうし、年齢的に20歳前後で、演技ができるヌードもOKな若手女優なんている?(苦笑) あ、美波がいた!でも私の直子のイメージじゃないけれど、美波ならうまく化けてくれそうな気がする。ちなみに本を読んでいるときの私の直子のイメージは、7~8歳ぐらい若い広末涼子。今の広末涼子じゃちょっと年齢が高すぎるけれど。まあ、いろいろと勝手に脳内でキャスティングしてみたけれど、やはりキャスティングも含め、映画化がかなり難しそう(=1歩間違えたら、3流ポルノ映画になってしまいそう)な印象の作品なので、あまり映画化には期待しないでおくことにします。

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村上 春樹

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フランソワーズ・サガン(著)「ブラームスはお好き」

悲しみよ、こんにちは、」「ある微笑」「一年ののち」につづく、サガンの4番目の小説「ブラームスはお好き(AIMEZ-VOUS BRAHAMS・・・・・・) 」を読みました。この本を選んだのには、特に理由はなく、読書の秋、何か本がよみたくなって、本棚を漁ってみたら、買ったまま読んでないこの本を見つけ、なんとなく気分がパリモードなので、パリの雰囲気に浸れそうだという理由で選んだのですが、読みはじめて軽く驚いた。なぜなら、日々消えゆく若さと衰えゆく美貌を嘆く30代の独身女性が、25歳の美しい青年と出会って、戸惑いながら恋をする物語だったから。なんだか妙にリアル~。(笑)

ブラームスはお好き (新潮文庫)ブラームスはお好き (新潮文庫)
(1961/05)
フランソワーズ サガン朝吹 登水子

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この本の主人公は、39歳のバツイチ独身女性ポール。ポールには、ロジェという同世代ちょい上の恋人がいて、二人は、お互いに束縛しあわず、自由に割り切った大人の交際をしているのだけれど、その割り切った大人の関係にポールは少なからずの孤独を感じてアンニュイな日々を過ごしている。でも、大人だから、その孤独を口にはしない。そんなときに出会うのが25歳の美しい青年シモン。シモンは、そのアンニュイなオーラを放つポールに一目ぼれ。積極的に真直ぐな恋心をぶつけてくる。ロジェとの関係で満たされない部分を完全に満たしてくれる若きシモンという二人の男性の間で揺れ動く主人公ポール。さて、どうなる?といった内容。

総ページ数172という私に言わせりゃ短編小説と言ってもいいぐらいの薄い文庫本で、2~3時間もあれば読めちゃうような本ですが、一応カテゴリー的には長編小説になるみたい。非常にフランスらしい空気に溢れた作品で、文体や目線が非常に女性らしく、アンニュイな雰囲気だとかパリの香りみたいなものが文章と文章の間にもしっかりとつまっていて、その独特の空気感は、好きな人にはたまらないだろうなーと思わせる文章。江国香織とかを好きな人は、サガンも好きなんじゃない?なんて、読みながらなんとなく思いました。ただ残念ながら、私は空気を含んだようなこの手の文章が好みではない。基本的に女性的で感傷的な文章よりも男性的で論理的な文章が好きなので、サガンの文体や目線に素晴らしさを感じるものの、行間から空気が滲み出てくるような、余韻を与えるような文章って、美しいとは思えども好みではないのである。なので、それほどツボにはハマりませんでした。

ただ、消えゆく若さと衰えゆく容貌を日々嘆いている独身女性のワタクシといたしましては、この主人公ポールの心情には非常に共感できる部分が多かったので、すいすいと読み進めました。ポールが抱く、衰えゆく美貌への嘆き、若さへのコンプレックス、くりかえされる日々への倦怠感、慢性の孤独感だとかって、お肌の曲がり角を乗り越えてきた年齢の女性なら誰しもが共感できるような感情。とりわけ25歳の美しい青年と並ぶことで自分の年齢や老化した美貌が強調されるのではないかと恐れる若さへのコンプレックスは、もうリアルに痛いほどよくわかる。(苦笑)だた、ポールが最終的に選んだ道には、え?あ?そうなの???と意外な気もしたけれど。愛されるよりも愛したいタイプの人間(=恋愛においてハンター気質の人間)は、なかなか幸せになれないんだよねー。周囲を見てても自分の経験上からもそう思う。ちなみに、私はバリバリのハンター気質。(苦笑)

この本の中で私の好奇心を多いに刺激したのは、25歳の美しい青年シモン。弁護士見習いで、ブルジョワで、心優しくて、誰しもが認める美貌を持ちながら、当の本人は、その美貌を全く鼻にかけていない男。「25歳の美しい青年」という設定で、私の脳内に即座に浮かび上がった25歳の日本人青年が3名。(笑)真っ先に頭に浮かんだのは12月24日で26歳になっちゃうけれど11月の現段階では25歳の我がダーリン。2人目は、8月に25歳になったばかりの道明寺なペプシマン。そして3人目は6月に25歳になった我がライバルの世界的俳優。とりあえず読み終えた後、日本版で映画化するなら?なんてことを考えながら、真っ先に思いついた25歳のダーリンを当てはめて想像してみたけれど、どう想像力を働かせても、何かにつけて「若い?若い?」と口にするダーリンが16歳年上の女性に一途に夢中になる姿が想像できず、おまけに悲しいかなパリ特有のアンニュイな空気も、ダーリンにはあまり似合わない気がして、想像力に限界を感じたので、途中からキャスト変更して代役でヅンを登場させてみる。そしたら、まあ、なんとも似合うこと!さすが道明寺なだけあって一途な愛の男が似合うのだ。これ、いっそのことヅン主演で日本版で映画化しちゃえばどうかしら?と思いながらも、ふと世界的俳優に置き換えてみたら、これもかなり面白そう。とくにあの行間から滲み出る独特のアンニュイな空気は、世界的俳優の演技力が一番ハマる気がする。顔は「ル・昭和ジャポネ」だけど。(苦笑) 本当に、日本版で映画化してはいかがだろう?でも、ちょっと年の差恋愛という設定が映画「東京タワー」とかぶるから新鮮味がないか・・・。しかし、サガンを読みながら「25歳の美しい青年」という文面だけで、嵐を妄想しちゃうって、我ながらマジで痛いな・・・。(苦笑)

ちなみに私はブラームスは、あまり好きではありません。好きではないというか、相性が悪い。かなりポピュラーな作曲家だけれど、私の場合、ブラームスを聞くとなぜか眠くなってしまいがちなので、どうも苦手。でも、25歳の(ダーリンみたいな)美青年に「ブラームスはお好きですか?」と誘われたら、ブラームスが好きではなくてもホイホイとついて行っちゃうなー。(笑)

その他、サガンいろいろ

悲しみよこんにちは (新潮文庫)悲しみよこんにちは (新潮文庫)
(1955/06)
フランソワーズ サガン朝吹 登水子

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ある微笑 (新潮文庫)ある微笑 (新潮文庫)
(1958/05)
フランソワーズ サガン朝吹 登水子

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一年ののち (新潮文庫)一年ののち (新潮文庫)
(1960/01)
フランソワーズ サガン朝吹 登水子

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愛という名の孤独 (新潮文庫)愛という名の孤独 (新潮文庫)
(1997/09)
フランソワーズ サガン朝吹 由紀子

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私自身のための優しい回想 (新潮文庫)私自身のための優しい回想 (新潮文庫)
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フランソワーズ サガン朝吹 三吉

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熱い恋 (新潮文庫 サ 2-6)熱い恋 (新潮文庫 サ 2-6)
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フランソワーズ サガン朝吹 登水子

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アレキサンダー・プーシキン(著)「オネーギン」

そろそろ、シュツットガルトバレエ団「オネーギン(全幕)」の来日公演が近いので、鑑賞前の予習がてら、家に転がっていた岩波文庫を引っ張り出して読みました。たぶん去年の夏、ルグリとルディエールがガラ公演で「オネーギン」を踊ったのを見た後に、読んでみたくなって買ったまま放置していたものと思われます。(苦笑)

オネーギン (岩波文庫 (32-604-1))オネーギン (岩波文庫 (32-604-1))
(2006/09)
プーシキン池田 健太郎

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ストーリーは、レイフ・ファインズとリヴ・タイラーが出演していた映画で見たことがあるので知っているのだけれど、本で読むとどうなんだろう?ということで読んでみたのですが、本で読むとなんだかあっけない物語だなぁ・・・。(苦笑) というのも、これ、「韻文小説」と呼ばれる長編詩。それを翻訳者の池田健太郎さんが散文訳として訳してくださっているのだけれど、オネーギンとタチヤーナの恋の部分、いわゆる物語の本筋だけでなく、プーシキンの伝記だとか、プーシキン目線の感慨だとか社会批判だとかも加わっていて、本筋以外の部分も、かなりの部分を占めるので、本筋だけを切り取って考えると、なんだか、あれ、これだけ???っていう肩透かしな感じがしてしまったのである。これ、たぶん原文でこそ音の響きや言葉の選び方等の素晴らしさが理解できるんだろうなー。物語自体は、本当に短いし。

オネーギンの人物像は、もっとお高くとまっていて性格が悪いと思っていたので、本で読むと、性格が悪いというよりも、ちょっと冷めた目線のアウトサイダーなんだなーと好感度は増しました。タチヤーナを振るに当たって、あそこまで誠実に自分の気持ちを伝えて振っていたとは知らなかったので、ちょっとだけ見直した。というのもタチヤーナの書いた恋文全文を読んだら、私はドン引きだったので。あんな暑苦しい重い手紙をなんとも思っていない人からもらったら、そりゃウザい。オネーギンに同情。(笑)

でも、オネーギンという男も女性という立場で見れば、かなり迷惑な男であることは変わりない。田舎娘だと侮って振った女が数年後に偶然再会したら、垢抜けたステキな女性になっていて社交界の華になっており、しかも他人の妻となっていた。そんな昔振った相手に猛烈に恋心を刺激され、ラブレター攻撃。女性の立場で言えば、本質や内面は何も変わっていないのに、ただ、外見が垢抜けたというだけのことで態度をここまで変えられると、そりゃムカつくだろう。私なら昔の恋心を思い出して感傷にふけるよりも何よりも、100年の恋も冷めるだろうな。なんとツマラナイ男に恋していたのかと、自分の男を見る目のなさが情けなくなるだろう。悲しくなるよね。タチヤーナに心から同情してしまう。でも、オネーギンの立場でいうなら、病気になるほど本気で恋してしまうほど、かなりプライドをかなぐり捨てているわけで、足元にひれ伏しても受け入れてもらえない姿は、それもまたお気の毒といえばお気の毒。報われない恋というものは辛いものなんだよね・・・。しみじみ。

それにしても、一番お気の毒なお馬鹿さんはレンスキー。友達であるオネーギンが、自分の好きな人(オリガ)にちょっかいを出したと激情し、命がけの決闘を申し込んだことは知っていたけれど、そのちょっかいってのが、オネーギンが自分の恋人と悩ましげにダンスを一緒に踊ったというだけのことなんだよね。その当時の時代や文化的には、異性とダンスを踊るということが重要なことだったのでしょうけれど、別に恋人を寝取られたわけでもないのに、なんとも純情というか、懐が狭いというか、大げさだよなぁ・・・。結末が結末なだけに、なんとも愚かだなーと思わずにはいられない。しかし、オリガの立ち直りの早さにはビックリでしたが。女とは、なんともおそろしい。(苦笑)

物語の部分での主要登場人物は限られているので、やはりオペラやバレエにはしやすいんだろうね。とりあえず、バレエで全幕見るのがとても楽しみです。

以下、オネーギン関係本他いろいろ。

エヴゲーニイ・オネーギン (講談社文芸文庫)エヴゲーニイ・オネーギン (講談社文芸文庫)
(1998/04)
プーシキン木村 彰一

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完訳 エヴゲーニイ・オネーギン完訳 エヴゲーニイ・オネーギン
(1996/06)
アレクサンドル・セルゲーヴィチ プーシキン

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映画版

オネーギンの恋文オネーギンの恋文
(2007/07/06)
レイフ・ファインズリヴ・タイラー

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オペラDVD

チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」
(2008/01/23)
メトロポリタン歌劇場管弦楽団メトロポリタン歌劇場合唱団

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チャイコフスキー 歌劇《エフゲニー・オネーギン》全曲チャイコフスキー 歌劇《エフゲニー・オネーギン》全曲
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CD

チャイコフスキー:歌劇「エウゲニ・オネーギン」 (2CD) [Import] (Tschaikowsky, Pjotr Iljitsch: Eugen Onegin)チャイコフスキー:歌劇「エウゲニ・オネーギン」 (2CD) [Import] (Tschaikowsky, Pjotr Iljitsch: Eugen Onegin)
(2004/09/06)
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| 読書 | 21:09 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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東野圭吾(著)「流星の絆」

最近、本当に全く本を読んでおらず、「読書」のカテゴリーを開いても、本当にマトモな本を読んでないなぁと自分で呆れ気味な今日この頃。テレビドラマ「流星の絆」をみていると、どこからどこまでが東野圭吾の原作どおりで、どこからどこまでが宮藤官九郎のオリジナル部分なのか?という素朴な疑問が沸いてきて、妙に気になったので原作本を買ってみた。

流星の絆流星の絆
東野 圭吾


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本というものは一生の財産だと思っているので、基本的に本を捨てられない性格の私。単行本は場所を取るから文庫化されるまでは、めったに買わないようにしているのだけれど、文庫化が待ちきれず、ドラマの最終回も待ちきれず、結局単行本を買ってしまった・・・。そんなことを大親友のCちゃんに報告したら、なんと、Cちゃんも同様の理由で単行本を購入したらしい。(笑) 案外、クドカン脚本のおかげで、どこまでが原作どおりなのかが気になって原作を買う人多いのかも。内容については、一応、ネタバレしないように感想を述べるように気をつけますが、それでもネタバレしてしまっていたらスイマセン。先に謝っておきます。

さて、そんな原作本。非常に読みやすくて一気に読めました。読了までの所要時間、約半日。内容ですが、もっと重くて暗いのかと思っていたのだけれど、思った以上に軽い印象。後味も案外爽やか。そして、ドラマ版は宮藤官九郎のオリジナル部分が暴走してると思っていたけれど、案外そうでもないんだなーという印象も。宮藤官九郎という人は、東野圭吾の原作の良さを殺すことなく、とても上手に自分らしい遊び心を加えたオリジナリティ溢れる脚本を作っているんだなーと関心したぐらい。

本の中の登場人物についてですが、有明功一は、本では「長身」という設定なんですね。長男の有明功一を演じる上で、二宮さんに唯一足りない要素があるとしたら「身長」だな。(苦笑) 本文に何度か「長身の」という表現が出てくるたびに複雑な気持ちで読み進めておりましたが、それ以外の点では、特に違和感を感じることもなく、というか、むしろ二宮さん的なキャラクターだったので、脳内ですんなりと二宮さんに変換しながら読みすすめました。次男の有明泰輔は、もう私の中では錦戸亮さんの演じている有明泰輔がドンピシャ。寸分のズレなく、ハマリ役だと思いました。 静奈は、私の中では戸田恵梨香さんというよりも柴咲コウさんでした。戸田恵梨香さんだと「美人」の定義的になんとなくズレを感じる。どちらかというと戸田恵梨香さんは「かわいい」じゃない?静奈は「かわいい」じゃなくて「美人」イメージ。 柏原刑事は、脳内では当然のように三浦友和さんになっておりました。というのも「王様のブランチ」で二宮君とトークをしていたときの三浦友和さんの雰囲気に惚れ惚れしてしまったので、柏原刑事は意地でも三浦友和のままで読み進めた。(笑) 萩村刑事もバナナマン設楽さんのままで読みました。読みながら、ちょっと違うなーと思ったのは「とがみ亭」の御曹司の戸神行成。私のイメージでは戸神行成は、V6の長野君。キャナメ(=要潤さん)だと洗練されすぎてる気がするし、あのキャナメのルックスで高学歴のお金持ちなら、いくら性格が地味で、本人が女に興味がなくても周りがほっておかないでしょう?好き嫌いは別として誰の目からみてもカッコイイ男で近寄りがたい雰囲気があるじゃん。そうではなくて、地味だと思って侮っていたら意外とカッコイイじゃん!みたいな人、それでいて人当たりがよさそうで、近寄りがたさがない人というと、V6長野君ぐらいの地味さがちょうどいいイメージ。あの食べ物を語りだしたら止まらないV6長野君のグルメっぷりとか戸神行成にピッタリじゃない?(笑) もしくは同等の地味さで言うと、イノッチとかもありかも。(地味だからという理由で選ばれるトニセンって一体・・・・。) といっても、私はドラマ版のキャナメの戸神さんも好きですけどね。カレー屋ジョージ・クルーニーでハジけちゃってるキャナメもいいし、真面目に戸神さんしてるキャナメも紳士でステキだし。っていうか実は、キャナメが元々好きなんだな。顔は別に好みじゃないけど、あの人、普段のトークが結構面白いし。ちなみに、どーでもいいことですが、キャナメの顔はマチュー・ガニオにソックリだよね。っていうか、マチュー・ガニオがキャナメそっくりなんだよね。って言ったところで、バレエファンにしかわかんないだろうけど、この「要潤=マチュー・ガニオ」説は、毎回バレエのたびにYちゃんと語ってるネタなのだ(笑)

っと、話がそれましたが、ストーリー展開は非常にドラマ向き。最後まで目が離せない展開で一気に読めて面白かったです。意外だったのは、静奈だけ母親が違うということが、それほど本の中では重要でもなんでもなかったということ。ドラマだと、かなり引っ張っているから、もっと重要な要素なのかと思ったのだけれど、本の中では当事者の静奈がアッサリと受け入れている事実だったことが意外でした。あと、これはドラマの段階から気になっていたのだけれど、功一と泰輔の最初の母(病死したらしい実母)の存在感がゼロなのも、なんとなく不思議。生んだ親より育てた親、要するに血のつながりだとかを超越した母と子、兄妹の絆ってのが見所なんだろうけど、最初のお母さんとの思い出はないの?とお兄ちゃん二人にちょっとだけ問いかけたくなったりも・・・。

そしてアリアケ事件の犯人ですが、これ、実は、ドラマの第一話を見た段階で予想した人だったので、読み終えたら「ああ、やっぱり・・・。」でした。ただ、動機が私は納得できないな。動機としては、わかるんだけれど、結果的には計画的ではなく、衝動的なわけじゃん?その衝動性と犯人の動機とがなんとなくしっくりと結びつかないんだな。その動機だったら、もっと計画的に考えそうな気がするんだけれど。とりあえず、犯人だとか、殺人事件云々というよりも、親を殺されたというトラウマのあるアリアケ3兄弟が、どう前向きに生きて行くのかってのがポイントの物語なんでしょう。そういう意味では、非常に後味のいい物語でした。ドラマで今後、どんな風に描かれていくのかも楽しみです。

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